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2014年02月28日

読書感想 ナンガ・パルバート単独行

カテゴリーに加えつつまったく記事を書かなかった読書ですが、初めて読書カテゴリーで記事を書きます。
ということで記念に、自分にとっての座右の書である『ナンガ・パルバート単独行』(ラインホルト・メスナー著、横川文雄訳)の感想でも書いてみます。

読書感想 ナンガ・パルバート単独行


1978年8月6日。ラインホルト・メスナーは15kgのザックを背に、ひとりでベースキャンプをあとにした。目標はナンガ・パルバート、ディアミール壁。標高差約4000mの岩と氷の壁に挑んだ彼は、幻覚に悩まされながらも登頂し、死と隣り合わせの5日間を生き抜いて、帰還する。人類初の8000m峰完全単独行に成功した彼が、ヒマラヤ登山の常識を覆した登攀のすべてと自己の内面を鋭く描いた代表作。

基本的にアウトドアはキャンプのみ、登山は子供のころに富士山に登ったくらいなのですが、なぜか登山関連の本を読むことが大好きです。
人跡未踏の高み、外界と遮断された孤独、自分で道を切り拓くという行為そのもの・・・そんなところに惹かれているのだと思います。

この『ナンガ・パルバート単独行』は登山家、ラインホルト・メスナーがヒマラヤ山脈標高8,126mのナンガ・パルバートに完全単独登頂した記録なのですが、技術的な話とか気候の厳しさ、登山の厳しさに関する話はほとんどされません。
主にナンガ・パルバートに登る前、登山中のメスナーの孤独に対する向きあい方、精神面に関する記述がほとんどです。

一度は完全単独行から来る精神的プレッシャー、孤独感からナンガ・パルバート登頂を断念し、妻との離婚を経て再度登頂に挑戦、登山中にかつてはあれほど自分を苦しめた孤独感が逆に自分を強く導いてくれるまでの描写が精緻な文章で語られます。

自称最果て病の患者の私ですので、スケールはまったく異なりますがメスナーの心理描写には少なからず共感する部分があります。
他に誰もいない、自分で何かをするしかない、それだからこそ楽しいというか。

巻頭に書かれる下記の文章を読んだ瞬間、脳に衝撃が走ってこれだ!という震えを覚えました。


思わぬときに心の中からほとばしり出る孤独感には
きみを殺してしまうほどの力がある。
だが、うまく役立てることを心得ていれば
今見える地平線のはるか彼方まで
きみを運びあげてくれる力がある。


ちなみにこの本の何が好きって、表紙の写真です。
ナンガ・パルバートの山頂で空と一体化しそうな青い服を着て、どこか悲しげにカメラを見つめるメスナー。
あと50年はこの本でお腹いっぱいになれそうです。





Posted by ガマタ丸 at 22:41│Comments(0)読書
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